Eye Tracking The User Experienceのまとめ - Chapter3
アイトラッカーのタイプ
リモート | ウェアラブル | |
---|---|---|
セットアップ | 被験者の前に固定して置かれる | 被験者の頭部に装着する |
アプリケーション | モニタの前で座る、もしくは一つの場所に立って行われるリサーチで使われる | 被験者が動いて物に触れたり人とコミュニケーションを取る必要がある時に使われる |
気になる度合い | 被験者はあまりアイトラッカーを気にせずに済む | 頭部に装着する、視界にアイトラッカーが一部入るため被験者が気にしやすい。衛生面、髪が乱れることから気にする被験者もいる| |
動きの自由度 | アイトラッカーが測定可能な範囲でしか頭部を動かせない。アイトラッカーと被験者の直線状に障害物があってはならない | 被験者は自由に動いて良い。しかし、ほとんどのウェアラブルタイプのアイトラッカーはキャリブレーションを行った距離で最高精度となるため、近い物や離れた物に対しては測定精度が下がる |
分析のし易さ | ウェアラブルタイプのように次々にシーンが変わるということは無いため、静止画に対する解析は容易。動画やWebサイトのようにシーンが変化する場合は難易度が上がる | 頭部の動き等に応じて次々シーンが変化するため難易度が高い |
リモートタイプアイトラッカーの種類
- リモートタイプはビルドインタイプとスタンドアロンタイプがある
- ビルドインタイプはPCモニタに組み込まれている
- スタンドアロンタイプはビルドインタイプと同じように使うことも出来るし、雑誌、新聞等の物理媒体に対する視線計測にも使うことができる
- スタンドアロンの方が柔軟性が高いが、PCモニタに映る映像に対しての視線にしか興味が無ければ、セッティングの手間を考えればビルドインタイプの方が良い
リモート?ウェアラブル?どちらを購入すべき
- アプリケーションによる。どちらでも問題無い場合はリモートを購入すべき
考慮すべきスペック
サンプリングレート
25 - 2000Hzと幅広いラインナップがある。一般的にUXリサーチでは50 - 120Hzの製品を選択する。これにより固視持続期間測定誤差を±10msec程度に抑えることができる(通常固視持続期間は0.1 - 0.5sec程度)。250Hz以上の製品は神経科学等で用いられるものであり、特殊用途と考えて良い
正確度と精度
正確度は0.5 - 1°のアイトラッカーが多い。1°の誤差とは68.6cmの距離からモニタを見た時に約1.3cmの誤差になる。精度は0.01 - 1°と幅広い。正確度や精度は理想環境下における数値のため、実際の環境下ではある程度下がることを想定した方が良い
頭部ボックスサイズ(リモートタイプのみ)
頭部ボックスサイズ内でしたアイトラッキングできないため、広い方が良い。典型的なスペックはW=30-44cm, H=17-23cm, D=20-30cm
片眼、両眼
両眼測定出来た方が良い。両眼測定できることにより、下記のメリットを享受できる。
赤外光照射方式
Bright-Pupil Method
- 比較的暗めの環境が得意
- 茶色目よりも青色目の検出が得意
Dark-Pupil Method
- 室内、外等の明るい環境が得意
- まつ毛に瞳孔検出が邪魔されやすい
- 青色目よりも茶色目の検出が得意
その他考慮すべきこと
- 実はスペックは各社似たり寄ったりのため現時点ではそれ程重要ではない
- 解析ソフトで何が出来るか。ソフトは定期的にアップデートされているか
- メーカーに他社との差異ポイントやコンサル実績を直接訪ねる
- 可能であれば購入予定のアイトラッカーを実際に使用している人にコンタクトを取る
- 購入前にレンタルを頼んでみる
Eye Tracking the User Experience: A Practical Guide to Research
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