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Eye Tracking The User Experienceのまとめ - Chapter2

アイトラッキングすべきか判断するための3つの質問

  1. アイトラッキングにより研究の目的に役立つ実用的な洞察が得られるか?
  2. 目的を達成するための手段としてアイトラッキングは一番単純な方法か?
  3. 研究は支援が必要か? 要は測定結果が次のアクションに繋がるかが重要

アイトラッキングから得られる知見

  • 定性的知見:製品ユーザビリティの問題を検知、説明できる
  • 例えばRVP(測定後に被験者と視線の軌跡を見ながら測定時に何を考えていたか聞く)を用いることで、使い難い箇所を特定できるような場合がある
  • 定量的知見:注視領域、パフォーマンスを測定できる

ユーザビリティの問題の検知

  • アイトラッキングの利点の一つは、他の方法では検知できない問題を検知できる可能性があること。例えばユーザーが正しいリンクをクリックできた場合、普通はUXに問題無しと判定され、被験者も何も報告しないと考えられる。しかし、正しいリンクをクリックする前に異なるリンクに視線が何度か往復していたとしたら、実はユーザーは迷っておりUXに問題があるかもしれないと考えることもできる
  • 上記の問題はアイトラッキングを使わなくても被験者のN数を増やすことで発見できる可能性は高まる。ただし、アイトラッキングを使えばN数がそれ程大きくなくても潜在的なUXの問題を検知できる可能性が高まる

ユーザビリティの問題の説明

アイトラッキングは以下のような質問を回答する助けになる

何故被験者は正しくないアクションを取ったのか

例えば被験者が期待するリンクをクリックしてくれなかったとする。もしアイトラッキングの結果、被験者がリンクを見ていなかった事が判明すれば、リンクの位置を変える、リンクをもっと目立たせる必要がある、等次のステップを考えることができる。被験者がリンクを見ていた場合、ラベリングに問題があるかもしれないと考えることができる

何故被験者は正しいアクションを取るのに時間を要したのか
何故被験者は書かれている情報を読み取れなかったのか

アイトラッキングによりグラフや表の分かりやすさを推定できる

パフォーマンスの違いの測定

  • あるUIと別のUIにおけるユーザーのパフォーマンス評価は例えばタスクを遂行するまでの時間を測る等の従来手法でも評価は可能。しかし、アイトラッキングを併用すれば従来手法で取得した結果のサポートデータとなる。例えば、アイトラッキングから得られた瞳孔径をNASA-TLX等の作業負荷アセスメントツールと併用する等

Attractionの違いの測定

アイトラッキングは以下のような質問に回答するための最適なツールである

  • どのパッケージが最も注意を惹くか?
  • どの広告や製品に一番初めに目が向くか?
  • どのバージョンのホームページが一番興味を惹くか?
  • どのコマーシャルが一番情緒反応を引き起こすか?

アイトラッキングの使いどころ

  • デザインプロセスの序盤ではなく後半の詰め(UIの微調整等)の部分が使いどころとなる
  • アイトラッキングは工数を要する。他の方法では問題を検知できないと思った時に利用する

Eye Tracking the User Experience: A Practical Guide to Research

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