Eye Tracking The User Experienceのまとめ - Chapter4
質問を決めておく
リサーチの目的から更に具体的な質問に落とし込んでおく必要がある
例1:ホームページのリニューアル
全体の目的
新しいウェブサイトがどのように改善できるか知りたい
考えられる質問
- ユーザーはホームページを見ることでウェブサイトの目的を認識できるか?出来なかった場合、それは何故か?(*)
- ユーザーはウェブサイトにどんな印象を持つか?そしてどの要素がその印象を持たせたのか?(*)
- ユーザーは主要なコンテンツに容易にアクセスできるか?出来なかった場合、何が障害となったか?(*)
- ユーザーはホームページに表示されている割引券に気付くか?(*)
- 気付いた場合、ホームページを見終えた後、割引券の事を覚えているか?
例2:処方薬のラベルのリニューアル
全体の目的
既存のラベルと比較して、新しいラベルは薬剤師のパフォーマンスにどう影響を与えるか調査したい
考えられる質問
- 新しいラベルは、正しい薬のピックアップを改善するか?
- 既存のラベルと比較して新しいラベルにより必要な情報は見つけやすくなるか?(*)
- 新しいラベルは読みやすい、理解しやすいか?(*)
- 薬剤師は新しいデザインは改善されたと感じるか?そしてそれは何故か?
上記の質問の内、(*)マークが付いた質問はアイトラッキングを利用することが助けになる。落とし込んだ質問の全てがアイトラッキングで解決できるわけではないことに注意が必要
被験者に見せるコンテンツの準備
アイトラッキングで得た知見を最終製品に適用したい場合、コンテンツはワイヤーフレームではなく最終製品に近い見た目のものを用意する必要がある。ただし、制約により代替品を用意せざるを得ない場合はある。例えば陳列してある製品に対してアイトラッキングする場合、本物が用意できないため、陳列されている製品の写真を大きめのモニタに映してテストするようなケースもある
被験者にコンテンツを見てもらう
コンテンツの見せ方
基本的にはWithin-Subjectsを採用すること
Between-Subjects | Within-Subjects | |
---|---|---|
定義 | 被験者は一人につき一つのコンテンツを見る | 被験者は全てのコンテンツを見る |
キャリーオーバー効果 | 無し | 有り。被験者によりコンテンツを提示する順番を変える等の工夫が必要 |
セッション時間 | 短い | 長い |
被験者N数 | Within-Subjectsよりも多くの被験者が必要 | Between-Subjectsよりも少ない被験者で済む |
比較可能か | 被験者は一つのコンテンツのみ見るため、コンテンツ間の比較ができない | コンテンツ間の比較が可能 |
Within-Subjectsの方が好まれる理由
- 被験者のN数が少なくて済む
- 同一被験者によるコンテンツの比較が可能
Within-Subjectsのデメリット
- キャリーオーバー効果の影響を受ける(被験者毎にコンテンツ提示順番を変える等の工夫が必要)
- 時間が長くなるため、被験者に疲れが出て視線の動きが本来と変わる可能性がある(コンテンツ間で休憩を入れる等の工夫が必要)
タスクを作成する
タスクのスコープを狭める
- アイトラッキングは膨大なデータが溜まるため、解析の事を考えて時間のかかるタスクを分割することは有効。例えば興味の有る本を買うというタスクを、興味の有る本を見つけてもらう、その本を買ってもらう、と分割する等
- タスクを分割すると、今被験者が何をしようとしているのか明確になり、分析が容易になる
- タスクが短ければRVPを実施する際にもユーザーの記憶が鮮明である可能性が高い
タスクを明確にする
- 被験者がタスクを理解できていない場合、その人のデータは分析に利用できなくなる
- タスクの終わりも明確にする必要がある。被験者間で終わりが一致していないとノイズデータが増える
- 被験者にタスクを認識してもらうための一つの方法としては、まず口頭でタスクを伝え、その後指示表を渡して読んでもらい、質問があるかを確認する
Eye Tracking the User Experience: A Practical Guide to Research
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